パスポート高過ぎ!

さて前回ブログが当初の目的から完全に逸れたのでやり直します。

10年間有効のパスポートが16,000円は高すぎます。
(下記:「手数料一覧」参照)

 

自動車運転免許証ならば、30分の安全講習付で3,000円(東京都の場合)であり、しかも、その場で即日更新可能です。

 

平成28年度と古いデータですが、パスポートの発行手数料を含めた実費が1冊当たり3,761円というのも高すぎます。全てを民間に委託すればもっと安くできるのではないかと思います。 (下記:「平成28年旅券経費と発行数」参照)

 

 また邦人保護費用を、パスポート発行料で賄うのは反対です。

 

例えば海外の事件・事故で領事館員またはその委託者(以下保護者という)が邦人保護する場合を想像します。同行者のいない旅行者がパスポート・財布・スマホ・クレジットカード等の全てを失った場合、以下の費用が発生します。

  • 保護者の日当・交通費・宿泊費・通信費
  • 旅行者の治療費・入院費・宿泊費・交通費・飲食費・パスポート再発行手数料

さて領事館に仮払をお願いするにしても、これらの費用は旅行者本人が負担すべきです。自己負担が心配な人は旅行保険に加入すべきであり、政府が保障範囲の不明確な官製保険を強制するのはオカシイと思います。

 

 自賠責保険のように強制保険としてパスポート費用に保護費用を含めるならば、保障内容を明示し滞在日数に応じた負担にすべきです。 

 

1週間の海外旅行をする人と90日間の海外旅行をする人とで邦人保護費を同額負担するのは公平な受益者負担とは言えません。

海外旅行保険ならアジアの1名旅行の場合、その保険料の最安値は価格.com調べでは以下の通りです。

旅行保険(治療・救援各1,000万円:個人賠償1億円)
旅行日数 90
保険料 ¥1,960 ¥38,600
(1日当たり) (¥280) (¥429)

何と旅行日数が長い方が1日当たりの単価が上がります。

 

平成28年度の邦人保護費用は滞在1日当たり概ね93円と推定されるので1週間の海外旅行だけならば93円×7日=651円です。

入国の都度、邦人保護費用を精算するのは煩雑なので、パスポート返却時に累積海外滞在日数に応じて精算すれば負担の公平性が保てます。この場合、10年間有効パスポートの場合、申請時に10年分の費用を前払いしているので利息を付けて計算すべきですね。

また邦人保護費の負担逃れを防止するためには、出入国審査時にパスポート費用に含まれる前払いの邦人保護費用の負担分を使い切っていた場合、追加で支払うようにしておけば良いと思います。

さらに退避勧告区域における保護費用については、掛かった費用の全額を保護対象者に求償すべきだと思います。(退避勧告前から滞在していて脱出の機会無く脱出できなかった場合は除く。)

 

しかし保護活動経費に付随する人件費・その他経費が高すぎます。領事館の人件費等の内、邦人保護に無関係な費用もパスポート費用で勘定しているのではないかと疑いたくなります・・

 


f:id:hitusgi:20191125022004p:plain


平成28年旅券経費と発行数 単位
旅券冊子購入費 2,868,059 千円
旅券作成関係日 4,616,130
人件費 3,232,361
ICAO拠出金 3,978
その他諸経費 3,925,900
合計 14,646,428
旅券発行数 3,894,640
旅券単価(発行) 3,761 円/冊
 
邦人保護活動経費 7,975,000 千円
人件費 12,440,445 千円
その他諸経費 14,773,644 千円
合計 35,189,089  
帰国日本人数×滞在日数  ※1 377,126,099 人日
保護単価 93 円/人日

 ※1:出入国管理統計 出入(帰)国者数 ( https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003288061 ) の各滞在日数区分の中間値で滞在したと仮定した場合の数値(ただし5日以下の滞在は4.5日とし、1年以上と期間不明の場合は1年とした。)