国の不当な年齢差別(養親となる者の年齢)

成人(民法では成年という)年齢が2022年4月1日から18歳となりますが、成人である18歳〜19歳の権利を不当に制限する以下の改正条文も同時に施行されます。

民法未施行

第792条 二十歳に達した者は、養子をすることができる。

養子を迎えたい18歳〜19歳の人がどれだけいるかは問題ではなく、わざわざ法改正してまで成人の権利を制限する発想が理解しがたいものです。

実父母から虐待を受けている弟や妹を養子にしたいと考えている18歳〜19歳の権利に立法府は思い至らなかったのでしょうか?

憲法を尊重し養護する義務のある立法府には憲法の次の条文を百回音読してほしいものです。

憲法

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない

本条では年齢による差別について明示されていませんが、以下の判例が有ります。

憲法14条に関する最高裁判例 :事件番号  昭和37(オ)1472

右各法条に列挙された事由は例示的なものであつて、必ずしもそれに限るものではないと解するのが相当である

養親となる者の年齢に関して18歳と20歳とを差別すべき合理的理由は見当たらないので速やかに当該条文を元に戻しましょう。

民法(改正案=現行法)

第792条 成年に達した者は、養子をすることができる。


2020-12-13 追記

特別養子縁組に関する規定でも理不尽な年齢差別が有りました。

民法

第817条の4 二十五歳に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その者が二十歳に達しているときは、この限りでない。

 これも修正しましょう。

民法(改正案)

第817条の4 成年に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その者が二十歳に達しているときは、この限りでない。